Arduinoで動いた回路を基板化するとき、配線をそのまま描き直すだけでは製造・部品実装に渡せません。まず開発板を製品内に残すのか、開発板なしの独立基板を設計するのかを決め、使う部品と接続、回路図、製造データを同じ仕様にそろえます。ここでは開発板を残して周辺回路を基板化する場合を中心に、試作発注までの確認点を整理します。
最初に、開発板を残すか独立基板にするか決める
| 最終的な構成 | 基板化する対象 | 追加で確認すること |
|---|---|---|
| Arduino開発板を残す | センサーや電源などの周辺回路を周辺基板にまとめる | 開発板の型番、接続端子、ピン配置、電源、固定方法 |
| 独立基板を作る | MCUと周辺回路を含む新しい回路を設計する | MCUの電源、リセット、クロック、書込み・デバッグと再検証 |
開発板に重ねて接続するシールドは、周辺基板の一形式です。すべての周辺基板がシールド形状である必要はありません。独立基板に移行する場合は、もとのArduino開発板が担っていた機能を洗い出し、採用するMCUと周辺回路のデータシートに沿って設計し直します。試作時に使ったピン番号や電源条件を、別の基板へ無条件に移せるわけではありません。

試作の配線を、確認できる回路図に整理する
ブレッドボードやジャンパ線で動いた回路は、機能確認に役立ちます。一方、基板設計へ進むときは、電源とGND、信号の接続先、部品番号、コネクタ端子、保護回路を回路図で明示します。仮配線、外部電源、手動リセットなど、試作時だけの条件も書き出し、最終基板に残すものと除くものを分けてください。
開発板を残す場合は、使用中のArduino型番と実際の端子割当てを確認します。供給電圧、入出力の条件、コネクタや機械寸法は型番によって異なるため、ここでは共通の数値を置きません。周辺基板の電源が開発板へ逆流しないか、外部機器とGNDをどう共有するかなども、実際の構成で確認します。
部品の型番・パッケージ・ランドを一致させる
回路図上の部品名だけでは、実際に購入・実装する部品を確定できません。BOM(部品表)には、部品番号、製造元と型番、数量、値、パッケージを整理し、選定した部品の端子配列とCADのフットプリントを照合します。コネクタの向き、極性部品、1番ピンは、回路図と基板配置図を見比べて確認します。
同じ機能の部品でも、型番やパッケージを変えると、端子、外形、必要なランドが変わることがあります。代替部品を予定するなら、入手性だけでなく、電気条件と実装形状も照合し、どの版の基板で使うかを記録してください。
レイアウトを確認し、製造データを出力する
部品配置では、開発板や筐体との干渉、取付穴、コネクタの位置、電源と信号の経路を確認します。PCB設計ツールのDRC(設計ルールチェック)で未接続や設定したクリアランス違反を調べた後も、部品実物と製造先の条件に合うかは別に確認します。DRCが通ったことだけで、組立や機能の成立は証明できません。
製造データには、対象層のGerber、ドリルデータ、基板外形などを、製造先の指定形式でそろえます。出力後は層の向き、孔、外形、部品面と版数を確認します。回路図からの出力手順を詳しく知りたい場合は回路図からガーバーデータを作る解説を参照してください。表示上の確認にはガーバーデータビューアも利用できます。
裸板だけか、部品実装まで依頼するかで資料を分ける
裸板を発注する段階では、製造データと基板仕様をそろえます。部品実装まで依頼する場合は、BOMに加えて、表面実装部品の位置や角度を示す座標データ、必要な実装図なども案件条件に合わせて準備します。PCBgogoの部品実装入稿データ案内でも、Gerber、BOM、座標データは用途を分けて示されています。チップ部品の有無などで必要な資料が変わるため、最新の提出条件を確認してください。
提出前には、回路図、基板データ、Gerber・ドリル、BOM、座標・実装資料の部品番号と版数を照合します。製造後の電源、入出力、通信などの動作確認は、プロジェクト側で試験項目を決めて行います。製造データの確認と製品の機能検証は別の工程です。
Arduinoの試作を次の段階へ進めるには、まず採用する構成を決め、部品と接続を図面に固定し、製造・実装へ渡す版を一つにそろえることが重要です。PCBgogo公式サイトで基板製造と部品実装の入口を確認できます。
PCBgogo - プリント基板製造のご相談回路図と製造データを整理したら、基板製造の見積もり条件をご確認ください。部品実装を含む場合は、必要資料を別途確認してください。プリント基板の見積もりを確認する