リレーを使う基板では、接点の配線だけでなく、コイル駆動、負荷の種類、制御回路との配置、絶縁距離をまとめて確認する必要があります。とくに電圧や負荷条件によって設計上の確認事項が変わるため、一般的な回路図をそのまま転用するのではなく、選定したリレーの仕様と製品側の安全要求に合わせて基板へ反映します。プリント基板製造・部品実装を行うPCBgogoのサイトでは、基板製造や部品実装の情報も確認できます。
制御回路・コイル回路・接点負荷を分けて考える
設計レビューでは、まず信号を出す制御回路、リレーコイルを動かす駆動回路、リレー接点が開閉する負荷回路を区別します。これらが常に別電源になる、または自動的に絶縁されるという意味ではありません。実際の回路構成と必要な絶縁条件を確認し、回路図・ネット名・基板レイアウトで役割を追える状態にしておくことが出発点です。

コイルや負荷のオン・オフが近くの信号回路に影響する可能性を考慮し、ノイズに敏感な配線をリレーコイルの近くや直下に通さない、関連する配線を必要以上に長くしないなど、配置と配線を一体で確認します。具体的な対策は回路と実装条件によって異なるため、試作時の動作確認も含めて判断します。
COM・NO・NCとコイル端子は選定した型番で照合する
COMは共通端子、NOはコイル非励磁時に開いている接点、NCはコイル非励磁時に閉じている接点を表すのが一般的です。ただし、ラッチング型などでは図面の状態表示や動作の読み方が異なる場合があります。回路記号だけで端子番号を決めず、採用する型番の結線図、端子配置図、データシートを照合してください。
フットプリントを作成・選択するときは、図面が上面視か底面視か、端子番号の向きがどう示されているかも確認します。回路図のCOM/NO/NCと基板上のランドが一致しているかを、製造データ出力前に照合すると、実装後の配線違いや動作確認の手戻りを減らせます。
コイル駆動とサージ抑制は動作時間も含めて確認する
コイル駆動回路では、コイルの定格電圧・電流と、駆動用トランジスタやICの出力条件を照合します。電源投入時や遮断時のコイル電圧、駆動素子の定格、意図した動作・復帰条件を確認し、選定した部品の仕様に合わせて回路を決めます。
コイルのサージ抑制素子は、接点で開閉する負荷の保護回路とは目的も接続先も異なります。DCコイル向けの並列ダイオードをACコイルにそのまま適用することはできません。ACコイルでは、リレーの仕様に適合する抑制方法を確認します。抑制方法によってはリレーの復帰時間が長くなることがあるため、単にサージを小さくするだけでなく、要求される切替タイミングやシーケンスに影響しないかを実回路で確認してください。555タイマーを使った駆動回路の例は、関連するリレー駆動回路の記事で扱っています。
接点配線は負荷の種類・電流・開閉条件から確認する
接点の定格を確認するときは、電圧・電流だけでなく、ACかDCか、抵抗性か誘導性か、起動時の突入電流、開閉頻度などを整理します。カタログに記載された抵抗負荷の定格を、モーター、ソレノイド、ランプ、コンデンサーなどの負荷にそのまま当てはめられるとは限りません。投入時・遮断時の波形や負荷特性が、接点の消耗や接触状態に影響する場合があります。
接点負荷側のサージ対策は、負荷や回路構成、リレーの接点定格に応じて検討します。コイル側の抑制回路と混同せず、保護部品を追加した場合に負荷の復帰や停止動作へ影響しないかも確認してください。
基板上の電流経路は、必要電流、銅箔厚、配線幅、許容温度上昇、周囲温度、コネクターや端子台の定格を合わせて検討します。線幅だけで通電能力を断定せず、基板仕様と実使用条件をもとに設計根拠を残すことが重要です。
沿面距離・空間距離は製品条件と適用規格から決める
沿面距離は絶縁物の表面に沿った最短距離、空間距離は空気中を通る導電部間の最短距離です。必要な距離は一律ではなく、使用電圧、絶縁の種類、過電圧条件、汚損度、材料特性、使用高度、コーティングの扱い、製品に適用される安全規格などを確認して決めます。
IEC 60664-1は、対象となる低電圧系統機器の絶縁協調について、空間距離・沿面距離・固体絶縁などを扱う規格です。実際に適用される規格や条件は製品の用途・市場・構造によって異なるため、規格の適用範囲を確認せずに数値だけを引用することは避けてください。
また、リレー単体のコイルと接点間の絶縁仕様が、そのまま基板上のランド、配線、スロット、基板端部を含む製品全体の安全性を示すわけではありません。必要な絶縁条件を製品設計側で定め、基板上の銅箔や部品配置、必要な溝・スリットまで含めて確認します。ソルダーレジストだけで要求距離を満たしたとみなさず、適用規格と設計条件に照らして判断してください。
基板製造・部品実装の試作前チェック
試作を依頼する前に、少なくとも次の情報を揃えておくと、設計意図と製造・実装条件を共有しやすくなります。
リレーの正式な型番、最新版データシート、端子配置とフットプリント
コイルの定格、駆動回路、サージ抑制方法と必要な復帰時間
接点負荷の電圧・電流、AC/DC、負荷の種類、突入電流、開閉頻度
制御回路と負荷回路の絶縁要求、適用規格・環境条件の確認担当
電流経路、端子・コネクター定格、銅箔やスリットなど基板仕様
ガーバーデータ、部品表、実装座標、組立図、および部品固有のはんだ付け・洗浄・コーティング条件
部品実装も予定している場合は、基板データだけでなく、部品表や実装関連データの提出条件を部品実装の見積もりページで確認してください。製造委託先へは、基板仕様と実装可否の確認事項を分けて伝え、電気安全の適合判定や製品評価は設計責任者が適用規格に基づいて行います。
リレーを使う基板の設計では、型番ごとの端子対応、コイルと接点負荷の条件、絶縁要求を順に確定し、その内容を基板データと試作前資料へ反映することが大切です。
PCBgogo - 基板製造のお見積もり基板の製造仕様と数量を整理したうえで、見積もり条件をご確認いただけます。部品実装も含む場合は、必要なデータと対応条件を別途ご確認ください。プリント基板の見積もりを確認する