ランド設計では、部品端子に合わせた銅箔形状だけでなく、ソルダーレジストの開口や実装工程で使うデータとの整合も確認します。表面実装部品と挿入実装部品では、確認すべき寸法や製造上の条件が異なります。この記事では、部品資料を起点に、試作前に見直したいランド設計のポイントを整理します。
ランド設計で確認するのは銅箔だけではない
ランドパターンは、部品端子を基板にはんだ付けするための導体形状です。設計データ上では、銅箔ランド、ソルダーレジスト開口、必要に応じてメタルマスクの開口が別々の層・データとして扱われます。これらは位置関係を合わせる必要がありますが、同じ形状・同じ目的のデータではありません。
まず対象部品のメーカー資料で、品番、パッケージ、端子寸法、推奨ランドパターン、配置方向を照合します。CADライブラリのフットプリントを流用する場合も、ライブラリ名だけで判断せず、実際の部品資料と照らし合わせてください。推奨寸法は部品形状や実装条件に依存するため、すべての部品に共通する寸法表として扱うことはできません。

表面実装ランドは端子形状と実装条件を照合する
表面実装部品では、端子の幅・長さ・間隔とランドの位置・寸法が合っているかを確認します。端子に対するランドの余裕を大きくすればよいとは限らず、部品資料が示す推奨形状と、実装側のはんだ付け条件を踏まえて判断します。特に極性や1番ピンがある部品では、ランド形状だけでなく、シルクや部品配置データの向きも一致させます。
細かな間隔のランドでは、隣り合う銅箔間の距離だけでなく、レジスト開口を設けた後に残るレジストダムの幅も確認項目です。必要な開口や製造公差は、部品ピッチ、基板製造条件、実装方法によって変わります。一般的な最小値を当てはめず、設計データと依頼先の最新ルールを照合してください。
スルーホールランドはリード・穴・環状部を一緒に見る
挿入部品では、リード径、穴径、穴位置、ランド外径を組み合わせて確認します。ドリル径とめっき後の仕上がり穴径は同じ意味ではありません。穴壁のめっきや製造公差が関係するため、部品リードが無理なく挿入できるか、仕上がり穴径の前提が製造データや依頼先のルールと合っているかを確認します。
穴の周囲に残る銅箔部分は環状ランド(アニュラリング)として扱われます。必要な幅を一律に決めるのではなく、穴位置のずれ、穴径、層構成、電気的接続、適用する製造基準を合わせて検討します。部品リードを通すめっきスルーホールと、層間接続を主目的とする通常のビアは用途が異なるため、CAD上の属性や製造出力で混同しないようにします。
通常の挿入実装と、はんだペーストを用いてスルーホール部品をリフローするPin-in-Paste(THR)は別の工程です。後者を予定する場合は、部品、基板、メタルマスク、加熱条件を含めて実装側と確認します。すべてのスルーホール部品に同じペースト開口やリフロー条件を適用できるわけではありません。
レジスト開口・レジストダム・メタルマスクを区別する
ソルダーレジスト開口は、銅箔ランドのうち表面に露出させる範囲を定めます。レジストダムは隣接する開口の間に残るソルダーレジスト部分です。一方、メタルマスク開口は、はんだペーストを印刷する範囲を決めます。レジストダムの有無や幅と、実装後の「はんだブリッジ」は別の概念であり、混同しないことが大切です。
表面実装用のペースト印刷では、部品資料や実装条件に合わせてメタルマスクデータを確認します。一般的な挿入実装では、表面実装と同じペースト印刷を前提にしません。レジスト開口やペースト開口を銅箔ランドと同一視せず、それぞれの層・目的・出力データを確認してください。ソルダーレジストやシルクとの一般的な設計上の注意点は、ソルダーレジストとシルク印刷の設計上の注意点も参考になります。
試作前に確認したいランド設計のチェック項目
部品品番とメーカー資料のパッケージ、端子寸法、配置方向がCADフットプリントと一致している。
表面実装部品の銅箔ランド、レジスト開口、メタルマスク開口を別々に確認し、実装条件と照合している。
挿入部品はリード径、ドリル径、仕上がり穴径、穴位置、環状ランドの前提を製造側と共有している。
密ピッチ部分のレジストダムや、製造公差上の制約について、依頼先の現行ルールを確認している。
特殊な接続構造を使う場合は、その必要性と製造条件を事前に確認している。たとえばパッドオンビアは一般的なランド設計と同じ前提で扱わず、構造・孔処理の要件を確認します。詳しい考え方はパッドオンビアの解説をご覧ください。
Gerberなどの基板製造データ、部品表、実装図、メタルマスク関連データの版数と部品番号が一致している。
サーマルランドのように大きな銅箔面へ接続する形状では、はんだ付け時の熱の逃げ方と電気的な接続要件が関係します。必要な形状は層構成や電流、実装条件によって異なるため、放熱パッドなど別の部品構造と混同せず、個別に確認します。
試作前に判断しきれない寸法や公差は、部品資料と製造条件を添えて依頼先へ確認すると、設計意図と製造データの食い違いを見つけやすくなります。PCBgogoの基板製造に関する情報や相談窓口はPCBgogo公式サイトで確認でき、見積もり条件がまとまったら以下から基板製造の見積もりを確認できます。
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