営業部:営業時間 日本時間 10:00~19:00(土日祝日定休)
engineer
PCBヒートシンクとは?種類?取付方法?選び方を解説
0 0 Jul 22.2026, 17:40:08

PCBヒートシンクは、発熱部品から熱を吸収し空気中に放散する冷却部品です。アルミまたは銅製の金属構造を持ち、プロセッサやMOSFET、電圧レギュレータなどの高電力部品に取り付けて使用します。

本記事では、ヒートシンクの5つの種類4つの取付方法を比較表で解説し、熱抵抗計算を含む選び方のステップまで詳しく紹介します。

PCBヒートシンクとは?

PCBヒートシンクは、熱伝導率の高い金属(アルミニウムまたは銅)で作られた放熱部品です。発熱部品に接触させ、熱をヒートシンクのフィン表面に広げ、空気中に放出することで部品の温度上昇を抑えます。

性能を示す指標は熱抵抗(°C/W)です。値が小さいほど放熱性能が高く、効率的に部品を冷却できます。ヒートシンクと部品の間には熱伝導材料(TIM)が不可欠で、空隙を埋めて熱抵抗を低減します。


PCB用ヒートシンクの5つの種類

ヒートシンクは製造方法と形状によっていくつかの種類に分類されます。以下に代表的な5種類を紹介します。

スタンピング型(プレス型)

アルミ薄板をプレス加工で打ち抜いたヒートシンクです。軽量で安価、5W未満の低電力部品(小型レギュレータ、マイコンなど)に適しています。

押出し型(アルミ押出)

アルミを金型から押し出してフィン形状に成形したヒートシンクです。10-100Wの中電力に対応し、コストパフォーマンスに優れています。電源回路やモータードライバ、RFアンプの標準的な選択肢です。

ボンデッドフィン型

薄いフィンをベース板に接着した構造で、フィン密度を最大化できます。限られたスペースで高い放熱性能が要求される基地局やインバータ、産業機器向けです。

ピンフィン型

円柱状のピンを格子状に配置したヒートシンクです。どの方向の空気流にも均等に性能を発揮するため、サーバーやGPU、通信機器など乱流環境での使用に適しています。

クリップオン型(基板取付用)

ばねクリップで部品パッケージに直接取り付けるタイプです。PCBの改造が不要で着脱が容易なため、民生機器やLEDドライバ基板で広く使用されています。

ヒートシンクの取付方法4選

ヒートシンクの取付方法は、放熱性能?永続性?組立工数のバランスによって選択します。以下が主要な4つの方法です。

放熱テープ

粘着剤に熱伝導性フィラーを配合した両面テープです。熱伝導率0.8-1.5W/m?K。5W以下の軽量ヒートシンクに適し、組立が容易で非破壊剥離が可能です。ただし高電力や振動環境には不向きです。

放熱接着剤(エポキシ?シリコーン)

永久固定タイプの接着剤で、テープより高い熱伝導率(1.5-3.0W/m?K)を実現します。10-30Wの中電力向けで強固な機械的保持力がありますが、剥離時に部品やPCBを損傷するリスクがあります。

Zクリップ

金属製のばねクリップを基板に固定し、ヒートシンクを押し付ける方法です。TIMと組み合わせて3.0-5.0W/m?Kの熱伝導率を得られます。20-50Wの中電力用途で着脱が可能なため保守性に優れています。ただし基板への取付穴設計が必要です。

プッシュピン

ばね付きピンを基板の穴に通して固定する方式です。均一な押付力を提供し、TIMとの組み合わせで3.0-5.0W/m?Kの熱伝導率を実現。50-100Wの高電力用途(CPU、パワートランジスタ、サーバー部品)で標準的に使用されます。基板に2.5-4.0mmの穴設計が必要です。

取付方法の比較表(電力帯別)

取付方法熱伝導率電力帯着脱基板加工
放熱テープ0.8–1.5 W/m?K< 5W△(部分的)不要
放熱接着剤1.5–3.0 W/m?K10–30W×(不可)不要
Zクリップ3.0–5.0 W/m?K*20–50W?取付穴必要
プッシュピン3.0–5.0 W/m?K*50–100W?穴加工(2.5–4mm)

* TIM(熱伝導材料)との併用時

ヒートシンクの選び方4ステップ

適切なヒートシンクを選ぶには、以下の4ステップで検討します。

Step 1: 熱要件を計算する

部品の熱設計電力(TDP)と最大ジャンクション温度(Tj max)から必要な熱抵抗を求めます。

必要熱抵抗 = ΔT ÷ P(ΔT = Tj max - 周囲温度、P = 消費電力)

Step 2: 電力帯に合った取付方法を選ぶ

前項の比較表を参考に、使用電力に適した取付方法を選択します。50W以上の高電力では機械的固定(プッシュピンまたはZクリップ)とTIMの併用が必須です。

Step 3: 保守性を考慮する

リワークや部品交換が必要な場合は、永続的な放熱接着剤ではなくZクリップやプッシュピンなど着脱可能な方式を選択します。

Step 4: PCBレイアウトに取付穴を計画する

Zクリップやプッシュピンを使用する場合は、基板設計の早い段階で取付穴やアンカー部品のランドパターンを設計に組み込みます。後からの追加はコストと納期に影響します。

まとめ

ヒートシンクはPCBの発熱対策として最もコスト効率の高い方法です。種類?取付方法?電力帯を正しく組み合わせることで、部品の信頼性と製品寿命を大幅に向上できます。

PCBgogoでは、ヒートシンク実装を考慮した基板設計から製造までトータルにサポートしています。放熱設計や基板レイアウトに関するご相談も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

よくある質問(FAQ)

Q1. PCBヒートシンクとは何ですか?

PCBヒートシンクは、発熱する電子部品に取り付けて熱を空気中に放散する冷却部品です。アルミまたは銅製で、熱伝導によって部品の熱を吸収し、フィン表面から対流放熱します。性能は熱抵抗(°C/W)で評価されます。

Q2. アルミと銅、どちらのヒートシンクが良いですか?

アルミは軽量で低コスト、銅は熱伝導率が高く高性能ですが重量とコストが増加します。一般的な用途ではアルミ押出し型が標準的で、特に高い放熱性能が必要な場合やスペース制約がある場合に銅が選択されます。

Q3. ヒートシンクの取付方法にはどんな種類がありますか?

主に4つの方法があります。①放熱テープ(簡易?低電力)、②放熱接着剤(永久固定?中電力)、③Zクリップ(着脱可能?中電力)、④プッシュピン(高電力?サーバー向け)。電力帯と保守性の要件に応じて選択します。

Q4. ヒートシンクの選び方を教えてください。

4つのステップで選定します。①部品の熱設計電力(TDP)から必要熱抵抗を計算、②電力帯に合った取付方法を選択、③保守性を考慮して着脱の要否を判断、④PCBレイアウトに取付穴を計画します。


記事を書く